NEWS&TOPICS

2017.07.08
イオン交換水について

2017-2 (3)

錦鯉の飼育環境は水の中です。
ひとつに水と言えども様々なイオンを含んでいます。
100m離れた井戸の水でも水質がかなり違う場合もあります。

例えば鉄分を多く含んだ山に降った雨はやがて地下水として溜まり鉄分の多い地下水になります。
ですから透明に見える水でも様々なものが含まれていますので「水質測定」は非常に大事です。
錦鯉も大事ですが、本当はそれ以上に「水」が重要であり大事なのです。
何故なら錦鯉は水の中で生きているのですから!

では水に関するお客様からの質問を紹介します。
先日お客様から「いくら水を換えてもpHが4近くになる。」と質問がありました。
そこで私の方からお客様に色々な質問を致しました。
現場を見ていないし普段のエサやりの回数、量、ろ過槽のメンテナンス、水換えの周期や量など見えない物が多いので
最低限の質問を毎度しています。

これで簡単なカルテが頭の中に作成できます。
しかしあくまでも現場を見ていないので完璧な把握は無理なんです。
それは「水は生きていますので絶えず変化」しているからです。

とりあえずお客様からの回答を得た後にブラシだけ使用している事のようなので色々とこちらからアドバイスをしました。
ヘドロの有無、pH測定の時間(測定時間は毎回同じ時間がベスト)、ろ過材の洗浄方法など。
そしてヘドロが溜まることはろ過が機能していない事を説明いたしましたが「ヘドロが溜まるという事はゴミが溜まっているのでロカしている。」と言われました。
一般の方のお答えはこういうケースが多くて私は次のように説明をしました。

「有機物(餌の食べ残し、糞、粘膜など)を溜めるだけでは腐敗してヘドロになります。
実は溜めた有機物をバクテリアにより分解出来て初めてろ過が完成したという事なのです。」
ですからブラシにより粗ゴミは取れただけで池の水は見た目にきれいになったような気がしますが
「生物ろ過(バクテリアによるろ過)」は出来ていないのです。

「チョウバエ」などは飛んでいませんか?と尋ねると「良く池の周りでよく見ます。」との回答がありました。
※チョウバエは流れの悪い水路や排水溝、水洗便所の浄化槽などの人の眼に触れにくいような汚水やヘドロが溜った場所に卵を産んで繁殖します。
またヘドロは嫌気性(酸素が無い状態)ですので病原菌生産工場です。

このヘドロの蓄積によりpHが低下してくるのです(硝酸塩もpHを低下させます。その為に水換えが必要です。)
その後私の説明に納得されて今の現状を打破するために弊社のバイオスポンジとBacto Powerをお奨めして販売店で購入して頂きました。

それから約2週間後にこのお客様から再度連絡がありました。
お客様は「以前より幾分持ち直したけどやはりPHが5近くになるのだけどどうしてでしょう?」
確かこのお客様は「地下水」を利用しているとの事でしたので地下水のpHを聞きましたらpHは5位との事でした(地下で有機物があるとバクテリアが有機物を分解する際に酸素を消費して二酸化炭素を出すのでこのように地下水のpHが低い場合があります)
そこでバケツに地下水を汲んでエアーレーションをし翌日再度pHを調べるように説明をしました。

そして翌日電話がありまして「pH7.5になりました。」と驚くような声で報告を受けまして
そのように一晩でpHが持ち上がる理由を説明をして納得されましたが、逆に私の方が不安になり何故こんなに池のpHが下がるのか頭が混乱してきました。
※一晩でpHが上昇した理由は炭酸塩硬度(別名:KHと呼ばれています。pHの緩衝作用があります。)

それではと思い池やろ過槽の動画を送ってもらうように伝えましたらすぐに動画が届きました。
すると池のそばに円筒形のものを見つけ直ぐに原因はこれだと確信をしました。
それが「イオン交換をする設備」だったのです。
私の中では非常に安どな気分になりました。
何しろ原因が見つかったからです。

イオン交換とは?
この件も詳しい専門家ではないので簡単に説明します。
水に含まれている(今回のケースは鉄分が多いので設置されたそうです)鉄イオン、カルシウムイオンなどの陽イオンや陰イオンを交換する。
即ち水に含まれているイオンを取り除くと解釈してください。

陽イオンとは、+の電気をおびた粒子。
陰イオンとは、-の電気をおびた粒子。
そもそもイオンとは、電気をおびた粒子。

100%イオンを取り除くことは設備の規模、品質にもよりますが無理ですが多くのイオンを
取り除くことは出来ます。
イオン交換された水は「純水」と呼ばれ非常にpHに対して不安定です。
その理由は何も含まれていない純水ですので例えば空気中の二酸化炭素などは水に溶けやすいのですぐに純水に溶け込みpHを下げてしまうのです。

池の水が酸性でしたら水素イオンが多いのですぐに純水に溶け込みpHが極端に落ち込むのです。
※「純水」とは読んで字のごとく「不純物を含まない水」という意味です。
純水は化学分析や環境分析を行う時、ビーカーなどの器具の洗浄や試薬の調製にもちいられます。
「器具を洗うのだったら水道水でもキレイなのでは?」と思われるかもしれません。

しかし人間が口にするのには安全な水道水でもカルシウムやマグネシウムなどの陽イオンと塩素や
硝酸などの陰イオンがごく微量含まれています。
そして精密な分析を行う時これらのイオンが不純物として影響をおよぼすことがあるのです。
ちなみにタイの水道水は地下の配管設備が悪いのか非常に鉄分の多い水でした。

今回のケースは水素イオンがpH低下の原因だったのです。
そこでお客様には「純水と水道水」「純水と地下水」のいずれかをブレンドして使用してみてくださいとアドバイスをしましたら「純水と地下水」で試して見るとの事でした。
その後あまりpH低下は見られず順調になったとの報告を頂きました。
以前大手半導体工場を視察した際に「イオン交換」でなく逆浸透膜(リバースオスモウシス)を使用して「超純水」を作りハンダしたかすを洗い流すために利用していました。
ハンダのかけらが残っていると半導体がショートして壊れるそうです。
この逆浸透膜の品質は、日本が世界一でシェアは50%を誇っています。

水不足であるシンガポールや中東地域などではこの逆浸透膜を活用して大型海水淡水化プラントを作っています。
天然海水を淡水に出来ます。
元々はアメリカのNASAが宇宙へ行くために開発したものです。

私も以前は「サンゴ水槽」のためにこのが逆浸透膜を利用して水道水から鉄などのイオンを取り除いてから人工海水を使用していました。
ちなみにこのオリジナル人工海水はケミカルメーカーと共同開発していました。
その際にもミネラルの重要性を感じました。

English Summary
動画を見る