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2018.08.31
一般ユーザー様からのメールのやり取り-2

Shinsuke-Bio-Sponge-2

(ユーザー様)
残念ながら未だ全く改善しません。
何が悪いのか全くわからず・・・・諦めております。
もう一度だけBacto Powerをトン10gを二週間の間隔で入れてそれで駄目なら諦めます。
(お電話で少しお話しましたが、相当なショックで本当に止められるかと当時私は思いました)

せめて鯉だけでも泳いで餌を食べてくれれば楽しいのですが・・・・。
池水のpHが高いのは、どうやらバッキのやり過ぎのせいかも知れません。
あと考えられるのは、カキガラが大量に入っているので、水が硬いのかもしれません。
あとで、テトラの試薬で計ってみます。

(山村)
ご連絡ありがとうございました。
お近くであれば行けば何か分るかもしれませんが・・・・。
言われるようにテスターで調べる事は非常に良い事だと思います。
爆気のせいでpHが非常に上昇するのは、KH(炭酸塩硬度)が、高いのかもしれません。
多分KHが、4°近くあるのかもしれません。

もう一つカキガラの影響でGH(総硬度)の数値が高いのかもしれません。
適正硬度は、3~7°位が最適です。
以上のように硬度には、2種類(炭酸塩硬度と総硬度)あります。

下記に今後メールマガジンで送信予定の内容を先に送ります。
参考になれば幸いです。
(事前に用意していた未送信メールマガジンの文章を送信いたしました)

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(メールマガジン文章)
pH低下を防ぐためにろ過槽などにカキガラなどを入れる人を多く見ます。
何故池のpHが下がっていくのでしょうか?
根本的な原因はエサです。
エサから出るたんぱく質が、バクテリアなどによって分解されて最終的に窒素分(硝酸塩)になりますし
有機酸(硝酸、塩酸、硫酸など)が、水に溶け込みpHが酸性に傾いていきます。

この窒素分が池に溜まれば溜まるほどpHは下がっていきます。
水換えをするのはpH低下を防ぎPH維持のために行います。
差し水だけではいけません。
必ず排水(窒素分濃度を減らす)をしなければなりません。
ただし水を換える量は、あくまでも三分の一に留めなくてはなりません。
その理由は大幅な水質急変により鯉が病気になる危険性があるからです。

参考までに簡単に説明しておきますが、有機物が過剰に溶け込むと水中の溶存酸素が少なくなります。
要するに酸素が溶け込みにくい水になります。
有機物が多量にある水が、ろ過槽に流れ込むとバクテリアが一斉に活動をはじめ多量の酸素を消費始めます。
しかしその後溶存酸素量が減少してバクテリアの活動が鈍り水質悪化におちいり易くなります。
水面に白い泡(主にたんぱく質)が、出たりするのは「バクテリアが負けている」からでそれを防ぐためにも
良質なろ過材と高品質なバクテリアが必要で更に大事な事は、バクテリアを活性化(元気にする)するためにも
ろ過槽にはエアーレーションがとても大事です。
少し脱線しましたので本来の議題の説明に戻ります。

大幅なpH低下を招く泉水池においては、当然有機物(エサ、エサの残り、糞など)が多い。
いわゆる酸が大量に発生します。
その酸を中和するためにカキガラが反応して溶け出していきます。
カキガラが非常に早く溶ける池においては有機物がそれだけ多いという事です。

その有機物が多い池においては、カキガラが酸を中和してリン酸カルシウム、硝酸カルシウムなどになり
ろ過槽などに沈殿していきます。
その為にろ過材などに沈殿するので目詰まりを起こしバクテリアの住みかが無くなってしまうのです。
これは沈殿物により濾過材表面積が小さくなるのです。
また生体に関しても良くないことがあります。

水の中にカルシウムが溶けるという事は、総硬度(GH)が上昇してしまいます。
ある養魚場さんで実際にGH20°になっていた事がありました。
私は多くの魚にとってGHの数値は、3~7程度が最適と思いますからこの20°という数値は明らかに異常な数値でした。
またpHも6.2という低い数値しか示していませんでした。
これなども泉水池において大量の有機物が蓄積された結果で、その有機物が分解されpHが
下がるのをカキガラが溶解し押さえると言うことです。
しかしpHだけを見れば良いように見えますが、その代償でGHが大きく上昇することは良いことでしょうか?

さてもう少し詳しく説明していきます。
「カキガラは淡水に使用することは注意が必要です。」という題目で進めます。

その理由は、カキガラは炭酸カルシウムである。
炭酸カルシウムは、酸により溶け出して炭酸ガスや炭酸イオン、炭酸水素イオンとカルシウムイオンになります。

炭酸イオンや炭酸水素イオンがpHを中和します。
しかし、カルシウムイオンと水中に溶け出している硝酸、リン酸などと結合して濾過槽などに沈殿する。
沈殿した固まりの中が詰まってくると嫌気性になり脱窒が起こり亜硝酸塩が出てくる。
もし硝化バクテリアが、充分に活性していないと亜硝酸塩濃度が上昇して生体に害をあたえます。
または、炭素化合物はメタンなどの有毒ガスとして水中に溶解し、生体に大きな影響を与えます。

硝酸塩、リン酸塩、有機酸濃度上昇によりpHが低下する。
(カキガラの中和作用が低下すれば急激にpHが短時間で低下。)

中和作用が低下すればpHが低下し、水中の亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸塩濃度が上昇し
水質悪化により生体の体力が低下し、病気の多発、エサ食いが悪くなり最終的に魚は死滅する。
(pHの低下にともない、亜硝酸など有害物質が水中に放出され生体に思わぬ害が及ぶ)

pHの低下を防ぐためにカキガラを入れてやれば確かにpHだけを見れば見かけは良い。
しかし、根本的に有機物の蓄積(リン酸、硝酸塩)によりpHが低下しているのであるからこれらを池の外に出して
やらねば問題解決にならない。
カキガラでpHを維持する方法は上記のような弊害を伴います。
適度に使用することは良いですがかき殻にpHの維持をまかせることは良くないのではないでしょうか?

沈殿した固まりの段階であればなんら問題は無いが、アルカリ度(pHの低下を防ぐ働きの強さ)が低下すれば
一度溶け出し始めると水質環境悪化は誰も止める事は出来なくなります。
(思わぬ時に思わぬ弊害で瞬時にして池全体が変異しうることもあります)

最後に補足説明になりますが、海水魚養殖などの分野でカキガラが使用されていますが、元々天然海水においては
硬度は測定不能な数値位に非常に高いので全然問題ありません。
ただし淡水魚養殖に使用すると上記のように様々な弊害が出てきます。

以上がメールマガジンの内容でした。

English Summary
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