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2020.04.17
チャレンジ

2019-12-4 (9)

以前熱帯魚・海水魚専門店を経営した時に200本の水槽があり開店前にこれらの水槽の前を歩くことが私の日課でした。
あまり水槽内を凝視しなくても魚の健康状態を知ることが出来ました。
それは魚が私の動きに敏感に反応して近づいてくるからです。

病気になった魚や入荷したての魚は確かに反応は鈍く健康状態も万全では無いですし日本の水にもまだ慣れていませんので
当然動きが鈍くなります。
でも東南アジアなどで養殖された熱帯魚は、比較的に人間に慣れているせいか早目に私に慣れてくれます。
一方天然採集物や海水魚などは当分の間人間を恐れてびくびくしています。

そしてこれらの魚にエサを与える時にひとつずつの水槽に当然与えるのですが、エサの食いつきやヒレの状態
(体調が悪いとヒレをたたんでおり元気で健康な魚は、ヒレをきれいに伸ばしています)そして色艶で健康状態も分かりそして目による水質チェックも可能でした。
不安に思う水槽については、水質テスターで必ず計測していました。

品質を高め病気を防ぐためには以上のような事を毎日しておかないといけません。
私の店で一番安定していた水槽は「水草水槽」で主役は水草で熱帯魚は脇役です。
ちなみに当時このような水槽の事を「バランスドアクアリウム」としゃれた名前で呼ばれていました。
熱帯魚の数は、水量に比べて非常に少なく且つ水草が水を浄化してくれるので非常に水質は安定していました。

しかし当然ながら水草も生きていますので根に肥料、葉っぱに肥料、光合成するためにに二酸化炭素、
二酸化炭素が充分溶けるために炭酸塩硬度、光合成する為に蛍光管の波長チェックと交換時期のメモなど多くの事を定期的にしなければなりませんでした。
これらの事を面倒だと感じたら大自然の一部を切り取った水草水槽など維持は決して出来ません。

魚や水草に愛情と手間暇をかければかけるほど活き活きとしてかつ健康的で素晴らしい水草や魚が出来てくるのです。
錦鯉に置き換えれば産卵させる親鯉の水質、体調などを整えることから始めなければ素晴らしい卵の質を得ることが出来ません。
当然ケゴの段階も非常に大事でそれぞれ水質環境を変えてデータを取っていくべきではないでしょうか?
そのデータを基に翌年の産卵時の水質を考えていかなければならないと思います。

タイ時代にベタ養殖ファームで見た大量に山積みしてあった「ペプシコーラやリポビタンD(メイドイン タイランド)」が忘れられません。
産卵時に使用していて甲状腺ホルモンを刺激するのかもしれません。
ちなみに「コカ・コーラはダメでペプシコーラでないとダメだ」と彼は言っていました。

彼らは私にとっては理解不能な無謀と思える事を飽くなきチャレンジととらえ常識外の事をしていました。
ですから今でも世界トップクラスの養殖技術を誇っています。
やはり失敗しても良いからチャレンジすべきでしょう!

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