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2021.11.05
ドイツアクアリウム洋書で学んだ事-20

2016-1-1 (7)

それでは簡単に説明していきます。
水の中にはpHの変動を最小限に抑える機能が存在しておりこれを「pHの緩衝作用」
と言います。
水にこのような作用をもたらしているのものは「炭酸水素イオンHCO³⁻」の
存在なのです。
炭酸塩硬度測定はこの炭酸水素イオン濃度を測定することになります。

酸(水素イオン)は色んな経路で池の水の中に入り込んでいます。
例えばバクテリアの消化作用にも起きます。
こうして入った水素イオンの過剰分(pH低下の要因)は、HCO³⁻イオンと結合して
二酸化炭素と水になります。
こうして酸(水素イオン)は化学的に取り込まれて消費されることになります。
これでpH低下を防ぐことが出来ます。

逆に水酸イオン(OH⁻)が水に入った場合は、炭酸水素イオンと結合して
水と炭酸イオンになります。
しかしいずれにしても水に溶けている炭酸水素イオンがすべて消費されると
急激なpH低下や上昇が始まります。

補足ですけど30数年まえにオリジナル「人工海水」を販売するために
良く人工海水について調べました。
以前GH(硬度)について説明しましたが、計測不能だったのです。
そこでKH(炭酸塩硬度)も計測不能と考えたのですが人工海水の試作品を
作った時に何かサンゴの調子が悪かったのです。
試しにKHを測定しましたら3°しかありませんでした。
文献によると7~9°必要と書かれていました。
やはり緩衝作用が低かったのでしょう。

本を読んで勉強することは大事ですけど書かれた内容が正しいのか?
誰が書いたのか?
他の人の書物にはどう書かれているのか?
検証することは非常に大事な事です。
仕事でもプロを探す時にこちらがアマチュアであれば「良いプロ」を探すことは
出来ません。

しっかり勉強してせめてプロの知識に近づくことが大事です。
色んな角度で物事を総合的に判断しなければなりません。
その為には日々勉強するしかないでしょう!

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