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2016.12.01
バンコク時代に感じた事-1

1-7

2001年から2008年までタイ バンコクにて熱帯魚、金魚、水草などを
輸出する会社を経営していた時に感じた事を書いてみます。
熱帯魚ビジネスに携わり24年の経験をもとに47歳で言葉も分からず会社を
設立し土地を探し兎に角凄まじい経験をしました。
24年間の間にメーカー主催のセミナー、オーストラリアにおいてのサンゴ研修学校、
ドイツで開催されるINTER ZOOを視察しドイツ各地の有名ショップの見学等私なりに
経験を重ねてのバンコク会社設立でしたが、以前より心配していた「水の問題」にぶち
当たりました。

それは水道水の不安定性です。
ご存知かもしれませんが、バンコク内においては元々地盤が軟らかいために地下水を
使用する事が出来ない場所なのです。
その為水道水に頼るしかないのです。
毎日pHが違うし赤っぽい水が出るし断水もあるのでストック水槽の適正な水の確保に
も苦労しました。
5トンの貯水タンク3台設置しpH調整剤で調節しながら苦労したことを思い出しま
す。

またKH(炭酸塩硬度)が高いがためにエアーレーションをするとpHが8近く上昇
していたのです。
会社が落ち着いたら田舎にファームを作り「地下水」を使用したくて堪らなかった
記憶がよみがえります。

私が錦鯉業界にお世話になり始めたころ新潟に行く機会がありましたので早速
持ち込んだ水質テスターで地下水を計測したところpHが5しかありませんでした。
かなり酸性の水ですよね?

生産業者の方が「山村さん、こんな酸性の水で大丈夫かね?」と心配されましたが
「鯉がこんなに元気ですから多分KH(炭酸塩硬度)が少し高いと思いますよ!」
と答えたものの多少の不安がありましたが早速計測したら やはりKH(炭酸塩硬度)
が高くて納得しました。
しかし生産業者の方は、何が何やら分からない非常に心配された表情でおられました。

「この水なら大丈夫ですよ! バケツにこの地下水を入れてエアーレーション
してください。翌日pHは上昇して7.5位の数値を示しますよ!」と説明して
その日は別の場所に移動しました。

翌日朝早く生産業者の方から電話があり「山村さんpHが上昇しています」と
興奮気味に言われておりその後私も現場に出向きpHを計測しました。
私のポリシーとして必ず自分自身で計測する事にしています。
その方が理解しやすい何しろあれやこれやと想像することが楽しくて実際に自分の
予測に近いものが出た時は心から納得が出来るからです。

その水について説明をしている時に生産業者の方が「だからA生産業者の紅白の緋が
良く出るしB生産業者の墨が出やすいのか!」と納得されていました。
確かに水だけの問題ではないかもしれませんが「元々錦鯉は水の中で生活しています
のであながち間違ってはいない」と思います。
バンコク時代に経験したことが新潟で活かせました。

 

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