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2015.08.13
免疫力低下(水温)について

Filter Sand(500g&10Kg)

「水温」
鯉は何故病気になるのか?
これを我々人間に置き換えて考えてみます。
そもそも免疫とは、人間に本来備わっている自分自身の力で病気を防ぎあるいは
治す仕組みのことです。
我々生活している環境下においてはいたる所に細菌やウィルスがあふれていますが
普段はなんともありません。
しかし、免疫力が下がると風邪を始め様々な病気にかかりやすくなります。

毎日のように報道されている熱中症のニュースを見ていてふと感じた事があります。
それは鯉の成長が遅かったり病気になる確率が上がるのはこの熱中症に良く
似ているかもしれません。
その多くの原因は「ストレス」です。
鯉の場合、水温・水質等から来るストレスだと思います。
まずは水温から説明しますが、野池に移動するのは泉水池での飼育だと水温調整が
出来無くなるからではないでしょうか?

泉水池飼育で常時新水を入れたとしても大量の新水を入れなければ水温は
最適にはならないでしょう。
この考えは泉水池の設置されている地域により違います。
例えば気温の低い高地に設置されている泉水池においては少量の新水で最適な
水温を維持出来るかもしれません。
ただし大量の水と言いましても毎日全水量の10%以内に抑えないと鯉の粘膜を
痛めることになります。

一方野池においても水温維持は万全とは言えず表層部と底部の水の循環が
行われない「水温鉛直」と言う現象があります。
表層部と底部において水の循環が起きなくなる現象です。
水温の上昇した表層部においてはプランクトンの活動が活発で水深の浅いところでは
植物性プランクトンの光合成により酸素が日中充分あります。
ただし夜間植物性プランクトンは、酸素を使い溶存酸素が不足しやすくなります。

底部においては水の循環が無いために溶存酸素が不足してくると共に有機物
(エサの食べ残し、魚の排泄物等)をバクテリアが分解するために益々溶存酸素が
少なくなりDO数値2mg/l以下になるとバクテリアも生存不可能となります。
その為に業者の方は、噴水、エアーレーションなどにより池全体の水の流れを
作る事により底部の溶存酸素量を上昇させています。

私が思うにはとても広いとはいえ閉鎖された池ですので「リン酸塩・硝酸塩」は
確実に増えてきます。
その濃度を減らすために山水、湧き水などが入る野池が最適かと思います。
降雨は自然現象ですから当てにはなりません。
ですから野池に入れる鯉の数量、サイズに関しては業者の方の苦労は並大抵の事では
無いと思います。
池上げの感動は苦労された業者の方にしか分らない事でしょう!

話が少しそれた感がありますが、水の中で住んだ経験が無い人間にとって鯉の環境で
理解できるのは「水温」位でしょう。
ですから水温が低くなったり上昇(高温)するとエサ喰いが悪くなったりする事が
「我々人間が夏場に食欲が無くなるのは当然」というように理解出来る事
かもしれません。
鯉の最適水温でなければ「鯉はストレスを感じています。」
ストレスを長期に抱える事で抵抗力が弱くなり病気に成り易くなってしまいます。

ちなみに魚類は水温1度違えば5度感じます。
例えば購入した鯉が入っている袋の中の水の水温が20℃とします。
池の水温が25℃としますと水温差は5℃ですが鯉は25℃も違うと相当な
ストレスを感じています。
このストレスが起因となり病気になる事もあります。
人間がお風呂に入るのと同じで低い水温に入るより高い水温に入る方がショックは
少なく感じているようです。
私は必ずしも専門家ではありませんので,不正確な説明もあるかと思いますので
その点を考慮して下さい。

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