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2015.08.21
免疫力低下(水質)について

バイオスポンジ

「水質」
それでは一番難解な「水質から来るストレス」について説明していきます。
こうして書いている私も水の中で生活した経験が無いので説明が不充分だと
思いますが、 理解していただくために例え話で説明していきます。

4人家族が8畳間で生活していると想像してください。
キッチンも簡易トイレも無い部屋です。
我々人間にとっては「ありえない!」話ではありますが鯉が生活している環境は
こんな感じです。
料理で余った材料、食事で余った残飯、人間の排泄物全て床の上に撒きつけると
します。
ただし24時間稼動の小さな換気扇と掃除機があるとします。

小さな換気扇で部屋の中で発生する臭い、煙、汚れた空気を屋外に排気しています。
しかし充分とはいえません。
24時間稼動の掃除機で床に散らばった食材、残飯、人間の排泄物を吸い込んで
います。
ただし掃除機の中には「バクテリア」は住んでいません。
当然生ものを始め腐って行きます。
掃除機は月一度大掃除します。

これはまさしく池の環境に良く似ています。
換気扇は、チョロチョロ入れる新水。
掃除機は、ろ過装置です。
バクテリアの住んでいないろ過槽であれば有機物(えさの食べ残し、鯉の排泄物等)
は、分解されずに ヘドロになります。
とても臭くてメタンガスなどが湧いてきます。

もしバクテリアが住んでいれば有機物はきれいに分解されて何も含まれていない
「茶色の土」になりへドロは残りません。
このようにバクテリアの住んでいないろ過槽において最適な環境の飼育水など
完成出来ません。

誰一人としてあの8畳間には住む事は出来ませんし、しばらく住んでいると病気に
なるのは当たり前です。
水質チェックするためには「目視」「水質キット」しかありません。
目視で言えば、水の透明度(白くどんより濁っているのはバクテリアが負けています)
水面に浮く白い泡(分解されないタンパク質と考えてください)
ひどく茶色の水になっている(有機物過多なので水換え必要)鯉の動き、尾びれ・
ヒレなどをたたんでいないか(体調を崩すとたたみます)など。

水質で言えば「アンモニア」「亜硝酸」「硝酸塩」「pH」などをチェックして
対処する。
特にこれらは眼に見えないものですから定期的に同じ時間帯(例えば毎朝10時)に
チェックする。
コケが少しでも生えている場合などは昼間には光合成の影響でpHが幾分か高めに
なりやすいので同じ時間帯がベストです。

特に「アンモニア」「亜硝酸」などは人間で例えると煙が充満している部屋で呼吸
しているのと同じもしくはそれ以上にエラで呼吸している鯉にとってはとても
危険な事です。
煙が充満している状況を想像するだけで息苦しくなってきます。

このような最悪な水質で生活している鯉にとってはエサを食べるどころの話では
無いし色艶も良くなる事はありません。
人間の皮膚でも寝不足するだけで肌がパサパサになって来たり栄養のバランスが
悪い食事をしていると体調不良になる場合があります。
結果を求めるなら最低限鯉の最適環境を維持してやることが飼育者の勤めだと
思います。

エサを与えるように目視し且つ水質チェックをしてやる事は非常に大事な事で
ありまたこれがベーシックなことで決して特別な事ではありません。
運だけで良質な鯉は生まれません!
親から人間の子供に受け継がれるDNA遺伝子は、25%で残り75%は育った
環境だと言われています。
如何に飼育環境が大事であるかの証明だと思います。

さて本題の「免疫力低下と病気」について話していきます。
このような最悪な環境で飼育すると健康的にも良くないしろ過が不充分が原因で
発生するヘドロの中には病原菌がうようよと増えていきます。
この不健康状態が続くと当然免疫力が落ち且つヘドロから大量に発生する病原菌に
より必然的に病気に大変なりやすい状況になります。

考えて見れば空気中で生活する我々人間と水の中で生活している鯉は同じ事です。
病気になる時には必然的にそのような環境にいるわけです。
ただし「バクテリアが有機物を分解して水をキレイにしている」という点が
人生経験上理解出来にくい点かもしれません。
少しずつご理解いただけるようにこれからも頑張って説明していきます。
「いつ何時も鯉と会話をしてあげて下さい!」「鯉の気持ちを考えてあげて下さい!」

English Summary
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