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2016.01.22
水質について-2

Mr Stefan Koster.  On the left Mr Yvo de Wal  (1)

3.炭酸塩硬度(KH)
世間一般に呼ばれている「硬水」「軟水」は、先ほど述べました総硬度(GH)
の事です。
炭酸塩硬度(KH)とは、炭酸水素イオンの濃度の事です。
炭酸水素イオンは、水中でpHに対する緩衝作用の働きをしてくれます。
炭酸水素イオンが水中にあると池の中で発生した酸性の物質が出てきても
急激なpHの降下がありません。
この炭酸塩硬度を上昇する製品も販売可能ですが、その前にまずは急激に
pHが下がる原因を探して下さい。
先ほど話した内容を再度チェックして置いてください。

硬度をまとめると
総硬度(GH)・・・カルシウムイオン、マグネシウムイオンの濃度の事。
この濃度の濃い水を「硬水」濃度の薄い水を「軟水」と
いいます。
炭酸塩硬度(KH)・・・炭酸水素イオンの濃度の事。

炭酸塩硬度(KH)についてのエピソード
ある錦鯉生産者において地下水のデータを計測しました。
するとpH5.5  KH3.0でした。
pHだけ見てみると錦鯉の飼育、バクテリアの適正値を外れていてとても使
用出来る地下水ではありません。
しかしKHが3.0あるおかげ(炭酸水素イオンがある程度含まれている)
でエアーレーションを加えるとpHは上昇するんです。
この地下水をバケツに入れてその後エアーレーションを入れてやると12
時間後にはpH7.8まで上昇していました(実験が夕方でしたので計測出来
たのは翌日でしたので12時間後としましたが、もう少し短い時間で上昇
すると思います)。

ちなみに広島市の水道水はpH7.0 KH0.5です。
同じ実験ではpH7.5までしか上昇しませんでした。
今回述べましたPHの数値は、水温、エアーレーションの量、エアーレーシ
ョンの泡のサイズ等により一律ではありません。
エアーレーションを入れる・・・pH上昇
二酸化炭素を入れる・・・・・・pH降下
「ろ過槽にエアーレーションを入れてください。」とShinsuke社がアピー
ルする理由は、バクテリアの生産能力、生命維持の他にpH低下を防ぐ意味
合いもあります。
また有機物(えさの食べ残し、鯉の糞など)が、分解されると最終的に二酸化炭素と水になります。
従いましてpHが、下がる事になります。

4.総アンモニア濃度(NH3/NH4+)
有機物(えさの食べ残し、鯉の糞など)の分解により有毒なアンモニア(NH3)
と無毒なアンモニウム(NH4+)が発生します。
アンモニア(NH3)とアンモニウム(NH4+)は、pH価いかんにかかわっ
ています。
pH7以下では、アンモニアの大部分はアンモニウムとなり毒性はありませ
ん。
アンモニア(NH3)の毒性は水1?に対して0.1mgで魚が死んでしまう事が
あるほど強い。
従ってpHが、低いからといってむやみにpH上昇剤、カキガラなどを使用
すると特にろ過が不十分な場合アンモニウムが一気にアンモニアに変化し
て鯉が呼吸困難、眼の白濁、遊泳困難、池の底に横たわるなどの症状を見る
事があり最悪死亡するケースもあります。
いついかなる場合もろ過材には適正なものをまた高機能バクテリアを使用
して万全を尽くしてください。

English Summary
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