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2016.08.10
病気を防ぐバクテリア-3

Bacto Power (2)

昔熱帯魚ビジネスをやっている時に不思議に思ったことがあります。
水槽に水道水を入れて1週間待ってから熱帯魚を入れること。
そうする事により主にろ過槽にバクテリアが湧いて来る。

何故1週間も待た無ければならないのか?
バクテリアはどこから湧いて来るのか?
確かにすぐ熱帯魚を入れると非常に高い確率で病気になりました。
でも1週間待てば病気になる確率は格段に下がりました。

当時アンンモニア、亜硝酸塩テスターなど観賞魚業界には販売されていない時代です
ので水の濁り(白くなる)、水面に浮かんだ泡、水槽セット初期に発生するグリーン
状のコケ、水の臭い、魚の尾びれの異常(多くが尾びれをたたみます)などで水の
状態を判断するしかありませんでした。

ではどこから沸いて来るのか?
ある日テレビで照明スポットに当たって空気中を舞うチリが見えました。
それを見た瞬間チリと同じくどこからか風に吹かれて飛んでくるのだと思いました。
「屋外の土に生息しているバクテリアが、風に吹かれて飛んでくる」この答えが
正しいか未だに答えは出ていませんが多分そうだと思います。

何故なら当時私は、新しい水槽を設置する際にろ過槽に土を入れて実験してみたら
大変良い結果が出た事を覚えています。
でもその時に新たな疑問が湧いて来ました。
土に生息しているバクテリアは、元々空気中で生息しているわけでそれが水中と
いうまったく違う環境で生息可能なのか?

我々人間が生息している空気中は、水中に比べてとても安定した環境です。
それに比べて水中においては、特に閉鎖された池などにおいては日々環境はめま
ぐるしく揺れ動いています。
それは空気中のバクテリアに比べて非常に苛酷な環境です。
ですから多くのバクテリアは生存する事が出来なくなり死に絶えてしまいます。

例えば非常に少ない錦鯉を適量なエサを与え飼育している場合は、環境変化も少なく
バクテリアもうまく生息可能となる場合もありますが、これは非常にまれなケースと
考えた方が良いと思います。
閉鎖された環境ですから池の水に蓄積するゴミ(リン酸、硝酸塩など)を許容範囲内
に維持して管理しなければなりません。
それとゴミといっても目に見えない水に溶け込んだものですからとても厄介な
ものです。
ですから密飼いに比べて薄飼いした場合などは、環境悪化(水質悪化)が軽減
されますので鯉に対してのストレスが少なくすくすくと成長出来るものと思います。

 

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