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2017.06.06
錦鯉の肌荒れについて-1

2017-5-12 (8)

一般ユーザーの方から下記のような質問がありました。

【質問】
長年錦鯉を飼育しているのだけど、どうしてか「錦鯉が肌荒れ」をおこしてしまう。
野池上がりの時は非常にみずみずしい肌がしばらくするとカサカサに肌がなって
しまう。
と言う質問でした。

【回答】
みずみずしい=光沢があって生気に満ちている。
人間に例えると「まさしく生気に満ちた肌の艶が美しい!」って表現でしょうか?
人間で言えば皮膚であり皮膚を作る「皮膚細胞」が健康である事。
錦鯉で言えば粘膜であり粘膜を作る「粘液細胞」が健康である事。

では健康とは何なのか?
人間で言えば澄み切った空気であり栄養バランスの良い食事(その他運動など色々
ありますがここでは省きます)
錦鯉で言えば適正な溶存酸素、アンモニア、亜硝酸塩数値が0に近い清純な水
(錦鯉はエラ呼吸しているためにアンモニアや亜硝酸塩数値が高ければ溶存酸素量が
高くても体内に摂り込むことが難しくなります)

そして栄養バランスの良いエサ、泉水池で不足がちなミネラル量とミネラルバランス
であると言えます。
人間も錦鯉も体の基本は「細胞」です。
この細胞は当然生きていますので生命活動として酸素とミネラルが必要です。
もし何れかが欠けると細胞自体の働きが悪くなって活動が鈍くなります。

インスタント食品ばかり食べると体に悪い事は皆さん御存じであると思います。
体に悪い=細胞に悪いと今後考えるようにすると色んなことが見えてきます。
例えば成長が遅いのは骨細胞に何か足りないのか?
また阻害しているものは?(ここでは溶存酸素や水温などは省きます)等のように
考えれば総合的な見方が出来てきますし現実に色んな対処方法が分かってきます。

それでは回答を続けていきます。
硬度が高い水や極端にpHが高かったり低い水で飼育するとどうしても粘膜が溶けて
人間で言えば「肌荒れ」になってしまいます。
人間であればスキンクリームなどで対処出来ますが、水の中にいる錦鯉ではそうは
いきません。
これらの対策としては硬度を下げる事が大事です。
日本の水道水や地下水においては多くが軟水なので問題ないと思いますが、一度硬度
テスター厳密には総高度テスター:GHとか呼ばれていますで計測して下さい。

pHの低下を防ぐ目的な為でカキガラを使用しておられる池においてはかなり
カルシウムやマグネシウムが溶け出しているので硬度が上昇している場合があります。
pH低下対策は、生物ろ過(バクテリア活動:有害なタンパク質を分解させます)
強化で解消出来ます。
詳しくは弊社Webサイトを参考にして下さい。
(Bacto Powerサイト)
(バイオスポンジサイト)

また溶存酸素量やミネラルの量が少なかったりや成分バランスが悪いと錦鯉の細胞も
弱り、きれいな良い粘液を出せなくなってしまいます。

※ 粘液の役目
粘膜の役目は、浸透圧調整や水の抵抗を抑えて泳ぎやすく働きもありますが、それ以外
に次のような重要な働きがあります。
粘膜に付いた病原菌を固めたりしてくれるレクチン、病原菌を溶かして流してくれる
リゾチームという成分を出す役目もあります。
水質が悪いと鯉の体調が良くないので、良くない粘液を出してしまいます。

水っぽくて量が少なかったり粘液が少ないために粘膜が薄い部分が出て来るために
病原菌が侵入しやすい粘膜になります。
これが鯉のツヤに影響しているものと思われます。
詳しくは下記webサイトを参考にして下さい。
病気予防セミナー4

人間も錦鯉も同じ生き物ですから同じような捉え方をされた方が理解しやすいと
思います。
ただし大きく違うのは空気中と水中という生息している場所が違う事です。
ここが一番の課題ですよね!
でも人間であれば空気が悪いとすぐ感じる事が出来ます。

でも池の水が透明であればまさか水が悪い状況であるとは想像もつきません。
しかし良く錦鯉を観察していれば色んな兆候を読み取ることが出来るはずです。
そして定期的に水質チェックをすれば確実な原因と言うものが見えてくると思います。
みなさん色んな意味で「水質と言うテーマ」に挑戦して行きましょう!

次回は「肌あれ」の続きを説明していきます!

English Summary
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