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2016.03.24
飼育池の管理方法-2

Bacto Power (1)

前回に続いて飼育池の管理方法について説明していきます。
飼育池の管理方法ですが、新規に池を作った場合やロカザイを全て大掃除した際の
鯉の飼育方法です。

大きく分けて2通りのケースで説明していきます。
1. 全て新規に池を作った場合
セメントのアク抜きなど完了した事を前提に説明いたします。
まずは池に水道水(塩素抜きを使用してください)もしくは地下水をいれてポンプを
作動します。
Bacto Powerをロカザイに設置したバイオスポンジに振りかけて下さい。

それから1週間以上鯉を入れずに循環して下さい。
この1週間でバクテリアが活性化してバイオスポンジに住み着くようになります。
その後鯉を少量池に放ち飼育スタートになります。
ここでポイントは、少量の鯉で飼育スタートする事とエサを3~4日あげないことです
(あげても良いが1日1回少なめに)。

バクテリアも活性化したばかりで働きも鈍くまだ充分に本格的活動には至って
ないからです。
またエサを3~4日あげないのは、鯉もバクテリアと同じで新しい環境に慣れるまでは
エサ喰いも悪いために食べ残す確率が多いからです。
その後徐々に追加の鯉を入れてエサの量も当初は少なめで徐々に増やしていくように
してください。
淡水の水では、バクテリアが活性化して本格的に活動して、水質が落ち着くのに
約1ケ月かかり、海水では約3ケ月かかります。

2. 大掃除する際にロカザイを水道水もしくは地下水で洗浄した場合
水道水で洗浄した場合は、水道水に含まれる塩素によりバクテリアがほぼ全滅して
しまいます(水道水でろ過材は、掃除しないで下さい)
地下水で洗浄した場合も塩素は含まれていませんが、大幅な環境変化(池の水に慣れ
親しんでいたバクテリアが地下水を浴びせられてかなりのダメージ)により傷つけられ
多くのバクテリアが死滅します。

この2のケースの場合は、ほぼバクテリア全滅と考え10g/トン ろ過材に振りかけて
ください。
またエサも数日止めてください。
2週間近く通常のエサの半分くらい与えてください。
バクテリアが、活性化するのを待ちましょう。
出来ましたらろ過材は、バクテリアが慣れ親しんでいる池の水で掃除しましょう。

このようにロカザイの掃除は、ろ過材の目詰まりを防ぐ意味でバクテリアにとって
良い事ですけど逆に環境変化を伴う事も忘れないで下さい。
バクテリアに取って良い事と説明しましたが、水は抵抗の無いところを選んで流れて
行きます。

抵抗のあるところとは、ヘドロ(有機物)などが固まった場所のことで水が通らない
という事は、酸素が無い⇒バクテリア死亡⇒メタンガスなど有害ガス発生⇒病原菌活動
活発という図式になっていくわけです。
その点バイオスポンジは、ヘチマ構造で水が通りやすくバクテリアも住み着き易い
構造ですので目詰まりの心配もありません。

徹底的にバイオスポンジに住み着いたバクテリアがヘドロ(有機物)を分解します
のでサラサラとした土にします。
ただし土が非常にたくさんバイオスポンジ表面に堆積すれば目詰まりの原因に
なりますので定期的に掃除して下さい。
ちなみにフィルターマットやブラシのみでバクテリアも投入していない池では
どろどろした汚泥にしかならず中に有機物を多く含んでいるので病原菌の温床に
もなります。

また人により定期的に薬品を投与される方が居られますが、バクテリアも細菌で
病原菌と同じ生き物ですから薬品投与により死滅してしまいますし鯉の粘膜も
はがれてしまいます。
多くの薬品の効果は24時間くらいで無くなりますが、残留薬品、バクテリアの死骸、
鯉の粘膜から出るたんぱく質、植物性、動物性プランクトンの死骸等々が池の水に
残っていますので全水量の1/3位は水を交換してください。

その後Bacto Powerを10g/トン必ず投与してください。
この際もバクテリア活性化に時間を要するため、エサを数日与えない(控えめに)で
下さい。

予防として薬品投与⇒バクテリア死滅⇒エサやり⇒アンモニア、亜硝酸塩上昇⇒
水質悪化により病気を誘発して鯉が病気になる
笑えない事となりますので出来れば絶えず日々水質管理、水面の泡、水の透明度など
を観察して薬品投与ではなくて一部の水かえで病気予防に努めてください。
水質が、安定していれば非常に病気にはなりにくいものです。

English Summary
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