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2015.10.02
Bacto Powerを使用しても・・・?

Bacto Power (2)

最近下記の様な内容の問い合わせがあります。
「Bacto Powerを使用しても何の変化も無い」
「当初良かったけれどまた水質が悪くなった」

このような問い合わせにお答えいたします。
私が1年間養魚場様の池で実験した結果を報告いたします。
大きく分けて3つのパターンがあります。
(パターン1)
ろ過材を大掃除してBacto Powerを使用した場合(ろ過材のビニロックに汚れ無し)
目に見えて変化も見えないし水質が良くなったという実感がありませんでした。

(パターン2)
使用中の池のろ過槽にBacto Powerを使用した場合(ろ過材のビニロックにヘドロが
付着)
当初のロカザイの汚れ方(ヘドロの多少)によりますが、概ね約1~2ケ月間に
おいては水面の白い泡も消えて水の透明度も良くなりアンモニア、亜硝酸塩も0近く
まで下がり好結果が出ましたが、その後また水の透明度も悪くなり水面に白い泡も
出始め餌食いも悪くなりアンモニア、亜硝酸塩も鯉に悪影響が出る数値になりました。

(パターン3)
ろ過材に設置してあったビニロックを一部撤去してバイオスポンジを設置後
Bacto Powerを使用した場合。
このケースの場合は、当初よりアンモニア、亜硝酸塩、白い泡もありましたがほぼ
1~2週間で白い泡も消えてアンモニア、亜硝酸塩も0近く下がり当初使用していた
ヘドロが付着していたビニロックもキレイなままで9ケ月間維持しました
(鯉の大幅な入れ替えのために実験は中止しました)

以上のように同じ「Bacto Power」を使用しても結果は大きく違ってきました。

【考察】
(パターン1)
ろ過材のビニロックにヘドロなど有機物が、付着していないためにバクテリアは、
定住出来ずに流されてしまいました。

(パターン2)
ろ過材のビニロックにヘドロなどの有機物が付着していたためにそこにバクテリアが
定住する事が出来ました。
ただし1~2ケ月の間にバクテリアが、定住基であるヘドロに含まれている有機物を
完全に分解する事により住み着く場所がなくなり流されてしまいまた水質が、徐々に
悪くなっていきました。
その後改善する事はありませんでした。
(冬の寒さを防ぐために自分が住んでいる家を少しずつ壊して燃やし暖を取る。
最後は、家そのものが無くなったイメージです)

(パターン3)
ろ過材に付着していたヘドロをバクテリアの働きにより完全に分解する事により
当初ネバネバしたヘドロに含まれる有機物をバクテリアが完全に分解したために
サラサラとした土に変化させてビニロックから滑り落ち全て底に沈んで行きました。

ここまではパターン2と同じですが、バイオスポンジを設置したおかげでBacto Power
に含まれている各種バクテリアが使用当初より住み着き、途中で実験中止にはなり
ましたが9ケ月間病気も出さず当然薬品も使用せず維持できました。
ちなみにこの池においては相当量の鯉と1日8回餌やりという悪条件下での実験
でした。
当然2週間に1度は10g/トンのBacto Powerを追加いたしました。
通常は2週間に1度5g/トン位でよいのですが、実験した池の飼育量が多めでした
のであえて10g/トンの使用としました。
飼育環境、水温等により間隔や使用量を各自考えて使用してください。
この考えるという事だけでより錦鯉飼育環境が見えてきます。
そうです!楽しくなってきます!

私は熱帯魚業界において35年間仕事をしてきましたが、その経験から言えば
ビニロックは粗ゴミを取る物理ろ過機能が、メインのろ過材で生物ろ過機能
(バクテリアの働きによる有機物を分解するろ過)は、ほとんど出来ません。
適材適所の観点から言えば物理ろ過-ビニロック、生物ろ過-バイオスポンジとして
理解してください。

我々人間世界で例に取ると残飯を掃除機で吸って部屋の中に置いておくのと同じで
掃除機は物理ろ過と同等です。
掃除機に溜まった残飯を分解してくれるのがバクテリアです。
そのためにはバクテリアの住みかを作ってやらねばなりません。
「生き物はやがて土に還る。」という言葉がありますが、平原で鳥が死ねば土に
住んでいるバクテリアの力により鳥はやがて土に還ります。

English Summary
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