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- 2021.02.05
- 奥深い水の世界-3
次に「地下水」について説明していきます。
地下水には多くの物質(塩類)が溶解しています。
※淡水の主な塩類イオン(Na+,K+,Mg2+,Ca2+,HCO3-,Cl-,SO42-)が
多く存在しています。
地底にある水脈なので岩石や土壌に触れその土地特有の物質が溶解します。
従って地域によって水質がかなり大きく異なることが多いのです。
以前新潟の生産者の地下水を計測したらA社の地下水はpH5.0でB社はpH7.2
だった記憶があります。
しかし両社共に十分に使用可能な地下水でした。
pH5.0という地下水は余りにも酸性が強すぎて錦鯉の粘膜が剥がれてボロボロに
なりますが炭酸塩硬度がある程度ある程度の数値でしたので問題はありませんでした。
下記に炭酸塩硬度(KH)について説明した文章がWebサイトにありますので参考にしてください。
水質について
「炭酸塩硬度(KH)についてのエピソード
ある錦鯉生産者において地下水のデータを計測しました。
するとpH5.5 KH3.0でした。
pHだけ見てみると錦鯉の飼育、バクテリアの適正値を外れていてとても使
用出来る地下水ではありません。
しかしKHが3.0あるおかげ(炭酸水素イオンがある程度含まれている)
でエアーレーションを加えるとpHは上昇するんです。
この地下水をバケツに入れてその後エアーレーションを入れてやると12
時間後にはpH7.8まで上昇していました(実験が夕方でしたので計測出来
たのは翌日でしたので12時間後としましたが、もう少し短い時間で上昇
すると思います)。」
また地下水は大気と遮断されているために溶存気体の量も変わってきます。
もし地下水に有機物が含まれていればそれをバクテリアが分解する。
そのとき酸素を消費し二酸化炭素が発生する。
そうすれば大気と遮断されているため酸素の供給はなくなり生じた二酸化炭素も
ほぼ全量地下水へ供給される。
そのためpHは低くなる。
土壌にはバクテリアが多く棲息し、窒素化合物を分解し硝酸塩とする。
これは水に溶けやすいため降雨等により地下へ運ばれ地下水の硝酸塩濃度は高くなる。
そのためpHは低くなる。
しかし硬度が高い場合や農薬や生活用水の人為的影響を受け易いため、必ず水質を
知ったうえで使用するように心がけてもらいたい。
化学肥料が流れ込むような場所の地下水には窒素やリンが多く含まれているために
池の水が「青水」になる場合もあります。
水は生きています。
地下水は場所により水質が違います。
この2点のみでも頭に入れておいてください。